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COVID-19在宅療養にパルスオキシメーターを追加しても予後変わらず

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の在宅療養に際して、標準的なモニタリングにパルスオキシメーターを追加しても、予後は変わらないとするデータが、「The New England Journal of Medicine」に4月6日、レターとして掲載された。米ペンシルベニア大学のKathleen C. Lee氏らの研究によるもの。

 Lee氏らの研究には、同大学関連病院6施設が参加。それらの病院では、COVID-19患者に対する日常的ケアの一環として、電子カルテ情報を基に、検査または臨床医の判断でCOVID-19と診断された患者を「COVID Watch」と呼ばれるレジストリに登録。COVID Watchに登録された在宅療養患者に対しては、呼吸困難の有無などの確認のために1日2回のテキストメッセージを自動送信し、その回答に応じて必要があれば看護師が直ちにコールバックするという、2週間の遠隔モニタリングを実施。このプログラムによって、生存率が向上することが既に確認されている。

 今回の研究では、2020年11月29日~2021年2月5日にCOVID Watchに登録された患者を無作為に1:1の比率で2群に分類。両群ともに通常のCOVID Watchとしての遠隔モニタリングを行った上で、1群にのみパルスオキシメーターを貸与。割り付け後30日目までの非入院生存日数を主要評価項目、患者から報告された不安レベル、外来または救急外来の受診、初回外来受診までの日数、30日以内の死亡などを副次的評価項目として比較検討した。

 パルスオキシメーター非使用群は1,041人で、うち606人は検査によりCOVID-19罹患が確認されていた。一方、パルスオキシメーター使用群は1,056人で、検査でCOVID-19罹患が確認されていたのは611人。パルスオキシメーター使用群の患者の77.7%は少なくとも1回、酸素飽和度を測定していた。また、2週間での測定回数の平均は9.8±8.5回であり、病院からの測定の指示に対する応答率は69.4±32.8%だった。

 主要評価項目である30日以内の非入院生存日数は、パルスオキシメーター非使用群が29.5±2.3日、使用群29.4±2.8日であり、有意差はなかった〔群間差-0.1日(95%信頼区間-0.4~0.2)、P=0.58〕。事前に設定されていた、黒人患者のサブグループ解析でも、有意差は確認されなかった。副次的評価項目についても、ほぼ全て有意差は認められなかった。唯一、電話による相談の回数が、パルスオキシメーター非使用群2.4±3.3回に対し使用群3.3±4.2回であり、後者の方が有意に多かった〔群間差0.9回(同0.4~1.3)〕。

 著者らは、「在宅療養中のCOVID-19患者に対する遠隔モニタリングとして、主観的な呼吸困難感の把握に加えてパルスオキシメーターによる酸素飽和度の測定を追加しても、非入院生存日数や死亡率などの点で有意な改善効果は得られなかった」と結論付けている。

 なお、一部の著者が、医療関連企業との金銭的関係の存在を明らかにしている。(HealthDay News 2022年4月13日)


https://consumer.healthday.com/adding-pulse-oximetry-to-remote-monitoring-no-benefit-in-covid-2657129311.html


Abstract/Full Text
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2201541



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Photo Credit: Adobe Stock


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