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米国人の7人に1人がlong COVIDに罹患

 米国人のほぼ半数が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の既往歴があり、7人に1人は後遺症(long COVID)を発症し、その半数(全体の約7%)は依然としてlong COVIDに苦しんでいるとするデータが報告された。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のAlex Bryson氏らの研究によるもので、詳細は「PLOS ONE」に11月2日掲載された。

 この研究では、米国国勢調査局が行っている世帯パルス調査(HPS)のうち、2022年6~12月の46万1,550人のデータが解析に用いられた。HPSはCOVID-19の影響を把握するために開始された反復横断調査で、2022年6月からはlong COVIDに関する情報も収集されている。なお、本研究においてlong COVIDは世界保健機関(WHO)の定義に即して、COVID-19罹患後3カ月以上にわたり、何らかの症状が遷延、または新たに発現した症状が持続している状態として解析した。

 回答者のほぼ半数(46.7%)が、COVID-19の既往があると回答した。一方、long COVIDの既往は14.4%であり、COVID-19既往者の約10人に3人がlong COVIDに罹患したことが示唆された。また、調査回答時点でCOVID-19またはlong COVIDの症状があるとの回答は8.6%であり、6.9%がlong COVIDの症状があるとする回答だった。

 Long COVID既往者の特徴を解析すると、以下のような傾向が明らかになった。まず性別では男性より女性に多く(11.1対17.6%)、年齢層別では多い順に40代(17.6%)、30代(16.4%)、50代(15.9%)、30歳未満(15.8%)、60代(11.2%)、70代(7.9%)、80歳以上(6.4%)であり、人種/民族別で最も罹患者が多いのはヒスパニック系(18.6%)、最も少ないのはアジア人(9.8%)だった。また、高所得者層や教育歴の長い層ではlong COVID既往者が少ない傾向が見られた。

 COVID-19急性期の重症度については、軽症が39.9%、中等症が40.4%、重症が13.3%と回答(このほかに6.4%は無症状)。これを、long COVIDの罹患状況別に比較すると、long COVIDの既往のない群では急性期に軽症だった患者が47%とほぼ半数を占め、急性期に重症だったのは7%とわずかだった。それに対して、long COVID既往者では、急性期に中等症だった患者がほぼ半数を占め(現在もlong COVID罹患中の患者群では46%、過去のlong COVID既往歴がある群では48%)、また急性期に重症だった患者も少なくなかった(同順に31%、24%)。

 Long COVID患者の多くが、不安や抑うつ、物事への関心の欠如などのメンタルヘルスの不調を抱えていることも明らかになった。この点についてBryson氏はUCL発のリリースの中で、「long COVID患者はそうでない人に比べて、気分の落ち込み、日常生活動作(移動や着替え、入浴など)の遂行困難、記憶力・集中力・理解力の低下を報告する割合が高い」と付け加えている。

 ただし、ワクチンを接種済みの患者はメンタルへの影響が少ない傾向が見られた。具体的には、「ほぼ毎日不安を抱く」との回答が、ワクチン未接種のlong COVID患者では22%存在していたのに対して、ワクチン接種済みの患者では14%だった。

 著者らは、「これらの新たな発見にかかわらず、新型コロナウイルスが引き起こすさまざまな潜在的な症状や期間をより深く理解し、long COVIDに対するワクチン接種の影響などを明らかにするには、さらなる研究が必要とされる」と述べている。(HealthDay News 2023年11月3日)

https://www.healthday.com/health-news/coronavirus/one-in-7-americans-has-had-long-covid

Copyright © 2023 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0292672

Press Release
https://www.ucl.ac.uk/news/2023/nov/least-14-americans-have-had-long-covid


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