292-0112試験（112試験）（海外データ、国際共同治験）

軽度から中等度の腎障害を有するHIV-1感染症治療経験患者を対象とした腎機能に対する安全性試験

軽度から中等度の腎障害を有し、抗HIV薬による治療経験がありウイルス学的に抑制されている成人HIV-1感染症患者を対象とした、ゲンボイヤ配合錠の腎機能に対する安全性試験

・Gilead社：社内資料 292-0112試験［承認時評価資料］
・Pozniak A. et al. : J Acquir Immune Defic Syndr. 71（5）：530-537. 2016.
〔利益相反〕本研究はGilead社の資金により実施された。

試験概要

試験の概要は以下のとおりです。

ウイルス学的効果：FDA Snapshot解析（全症例【副次評価項目】及びサブグループ解析：ベースライン時の腎機能別）

投与24週、48週及び96週時に血漿中HIV-1 RNA量を50 copies/mL未満に維持していたウイルス学的有効性が認められた患者の比率は、全症例で95%、93%、88%でした。ベースライン時の腎機能別に層別解析した結果、eGFR_CG^※50mL/min未満及び50mL/min以上のサブグループにおいて、24週時はそれぞれ95%、48週時はそれぞれ93%、96週時は88%及び89%でした。

腎機能・骨代謝

（1）各種計算式によるeGFRのベースラインからの変化
（全症例：24週【主要評価項目】、48週及び96週【副次評価項目】
　サブグループ解析：切替前のレジメン別、24週、48週、96週）

（2）投与2、4、8及び24週時のaGFR^※のベースラインからの変化
（全症例【副次評価項目】及びサブグループ解析：切替前のレジメン別）
イオヘキソールを用いて計測した、実測の糸球体濾過量（aGFR）について、全症例で変化はみられませんでした。また、切替前のレジメン別に層別解析した結果、TDFからの切替例、非TDF薬剤からの切替例のいずれにおいても、変化はみられませんでした。

（3）尿中RBP^※1/Cr比及び尿中β₂MG^※2/Cr比のベースラインからの変化
（サブグループ解析：切替前のレジメン別）

（4）尿中総蛋白/Cr比及び尿中アルブミン/Cr比のベースラインからの変化
（サブグループ解析：切替前のレジメン別）

（5）腰椎及び大腿骨頸部における骨密度のベースラインからの変化率
（全症例【副次評価項目】及びサブグループ解析：切替前のレジメン別、24週、48週及び 96週）
投与48週時の腰椎及び大腿骨頸部における骨密度のベースラインからの変化率は、全症例でそれぞれ2.3％、1.5％でした。TDFからの切替例では、それぞれ3.0%、1.9%でした。一方、非TDF薬剤からの切替例ではそれぞれ0.9%、0.8%でした。

有害事象/臨床検査値異常

投与96週までの有害事象とその内訳及びグレード3又は4の臨床検査値異常を以下に示します。

（1）有害事象（96週【副次評価項目】）

（2）5％以上発現した有害事象（96週【副次評価項目】）

（3）1％以上発現したグレード3又は4の臨床検査値異常 （96週【副次評価項目】）