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エプクルーサ配合錠 C型慢性肝炎又は C型代償性肝硬変(海外)

本剤の「警告・禁忌を含む使用上の注意」等については
注意事項等情報(電子化された添付文書)をご参照ください。

C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変患者(ジェノタイプ3)を対象とした海外第3相臨床試験(ASTRAL-3:海外データ)

エプクルーサ配合錠を1日1回1錠、12週間服用することで、 ジェノタイプ3型のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変患者さんの95.3%がSVR12を達成しました。また、ソバルディ錠+RBV併用の24週間服用に対して統計学的な優越性を示しました(p<0.001、肝硬変及び前治療歴の有無で層別化したCMH検定)。また、277例中245例(88.4%)に有害事象が認められました。

試験概要

目的 未治療又はインターフェロン含有レジメンで治療歴のあるC型慢性肝炎又はC 型代償性肝硬変を有する患者を対象にエプクルーサ配合錠12 週間投与及びソバルディ錠(ソホスブビル:SOF)+ リバビリン(RBV)の24 週間投与の有効性と安全性を検討する。
対象 C型慢性肝炎又はC 型代償性肝硬変(ジェノタイプ3)を有する患者552例。
試験デザイン 多施設共同、無作為化、非盲検試験。
スクリーニング時のC型代償性肝硬変の有無及び治療歴の有無による層別ランダム化を行った。既治療及びC型代償性肝硬変を有する被験者の割合はそれぞれ約20% とした。
方法 エプクルーサ配合錠は食事の有無を問わず、1日1回1錠、12週間経口投与した。
ソバルディ錠+RBV 群はソホスブビル(400mg)1 日1 回+RBV(1,000 又は1,200mg/ 日を1 日2回に分割投与)を24週間経口投与した。
主要評価項目 SVR12率[ 投与終了から12週時点のHCV RNAが定量下限(LLOQ) 未満を達成した患者割合]、安全性。
副次評価項目 SVR4 率、SVR24 率、ウイルス学的治療不成功の患者の割合、投与期間中及び投与終了後のHCV RNA動態、SOF及びVELに対する耐性ウイルスの出現。
解析計画 主要評価項目はFull Analysis Set(FAS) においてSVR12を達成した患者の割合(SVR12率)とした。SVR12率はClopper-Pearson法に基づく点推定値及び正確な両側95%信頼区間(CI)をそれぞれの投与群に対して算出した。閉検定手順を用いて、エプクルーサ配合錠群(12週間投与)のソバルディ錠+RBV 群(24週間投与)に対する非劣性を検討した。非劣性は、SVR12 率の差の両側95%CI の下限が−10%を上回った場合に示されるものとした。CIの下限が−10%を上回った場合には、有意水準を0.05とする両側層別Cochran-Mantel-HaenszelCMH)検定により、エプクルーサ配合錠群のソバルディ錠+RBV群に対する優越性を検討した。 背景因子別のサブグループ解析は、ジェノタイプ/サブタイプ、C型代償性肝硬変の有無、HCV治療歴、等について実施することにした。

SVR:sustained virologic response(持続的ウイルス陰性化)
†定量下限(LLOQ):本試験のHCV RNA量の定量にはCOBAS® AmpliPrep/COBAS®TaqMan® HCV Quantitative Test v2.0 を用い、本分析法の定量下限(LLOQ)は15 IU/mLでした。

◆ C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変を有する患者における海外第3相臨床試験(ASTRAL-3):試験デザイン
C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変を有する患者における海外第3相臨床試験(ASTRAL-3):試験デザイン

社内資料:承認時評価資料(海外第3相臨床試験:GS-US-342-1140)
Foster GR, et al. N Engl J Med. 373(27): 2608-2617, 2015
[利益相反:本研究はギリアド・サイエンシズ, Inc. の資金提供および支援により行われた。本論文の著者には、ギリアド・サイエンシズ, Inc.の社員が含まれる。本論文の著者には、ギリアド・サイエンシズ, Inc.より講演料等を受領した者が含まれる。]

【用法・用量】(抜粋)
〈未治療又は前治療歴のないC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善〉

通常、成人には、1日1回1錠(ソホスブビルとして400mg 及びベルパタスビルとして100mg)を12 週間経口投与する。

患者背景

患者背景

エプクルーサ配合錠
12週間投与群
(n=277)
ソバルディ錠+RBV
24週間投与群
(n=275)
年齢中央値(範囲) 52歳(21-76) 52歳(19-74)
男 性 170例(61.4%) 174例(63.3%)
BMI 平均値(範囲), kg/m2 26.4(16.6-48.2) 26.6(16.9-56.2)
人種※1 白人 250例(90.3%) 239例(86.9%)
黒人 3例(1.1%) 1例(0.4%)
アジア人 23例(8.3%) 29例(10.5%)
その他 1例(0.4%) 6例(2.2%)
IL28B 遺伝子型 CC 105例(37.9%) 111例(40.4%)
CT 148例(53.4%) 133例(48.4%)
TT 24例(8.7%) 31例(11.3%)
C型代償性肝硬変※2 80例(28.9%) 83例(30.2%)
HCV RNA量(平均値±標準偏差)log10 IU/mL
HCV RNA ≧ 800,000 IU/mL
6.2±0.72
191例(69.0%)
6.3±0.71
194例(70.5%)
前治療歴 なし 206例(74.4%) 204例(74.2%)
あり 71例(25.6%) 71例(25.8%)
前治療結果 無効 20/71例(28.2%) 24/71例(33.8%)
再発/ブレイクスルー 51/71例(71.8%) 47/71例(66.2%)
  1. 自己申告。
  2. 肝生検で確認、又はFibrotestスコア(>0.75)及びAPRI(>2)、又はFibroscan®の結果(>12.5kPa)。

社内資料:承認時評価資料(海外第3相臨床試験:GS-US-342-1140)
Foster GR, et al. N Engl J Med. 373(27): 2608-2617, 2015
[利益相反:本研究はギリアド・サイエンシズ, Inc. の資金提供および支援により行われた。本論文の著者には、ギリアド・サイエンシズ, Inc.の社員が含まれる。本論文の著者には、ギリアド・サイエンシズ, Inc.より講演料等を受領した者が含まれる。]

SVR12率(主要評価項目)

エプクルーサ配合錠12週間投与群のSVR12率は95.3%(264/277例、95%CI:92.1~97.5%)、ソバルディ錠+RBV24週間投与群のSVR12率は80.7%(222/275例、95%CI:75.6~85.2%)でした。
層別因子で調整したSVR12率の差(95%CI)は14.4%(9.2~19.6%)であり、投与群間の差の両側95%CIの下限が事前に定めた非劣性マージン−10% を上回ったことより、エプクルーサ配合錠12週間投与の有効性はソバルディ錠+RBV24 週間投与に対し、統計学的に非劣性であることが示されました。
その結果、エプクルーサ配合錠12 週間投与のソバルディ錠+RBV24 週間投与に対する統計学的な優越性が示されました(p<0.001;代償性肝硬変及び前治療歴の有無で層別化したCMH検定)。
その他の背景因子別(C型代償性肝硬変の有無、前治療歴の有無)のSVR12率は以下のとおりです。

◆ SVR12率*(主要評価項目)
SVR12率

統計学的非劣性:非劣性マージンー10%を上回った場合[SVR12率の差(95%信頼区間)14.4%(9.2%~19.6%)]
統計学的優越性:p<0.001(代償性肝硬変及び前治療歴の有無で層別化したCMH検定)

* 投与終了12週間後の持続的ウイルス陰性化率。

社内資料:承認時評価資料(海外第3相臨床試験:GS-US-342-1140)
Foster GR, et al. N Engl J Med. 373(27): 2608-2617, 2015
[利益相反:本研究はギリアド・サイエンシズ, Inc. の資金提供および支援により行われた。本論文の著者には、ギリアド・サイエンシズ, Inc.の社員が含まれる。本論文の著者には、ギリアド・サイエンシズ, Inc.より講演料等を受領した者が含まれる。]

背景因子別SVR12率(サブグループ解析)

背景因子別SVR12率は以下の通りです。

◆ C型代償性肝硬変有無別SVR12率
◆ 前治療歴**有無別SVR12率
◆ 前治療歴**なし患者における
C型代償性肝硬変有無別SVR12率

** インターフェロン含有レジメン。

◆ 前治療歴**あり患者における
C型代償性肝硬変有無別SVR12率
◆ ベースライン時のNS5A及びNS5B耐性関連変異の有無別SVR12率

ベースライン時にエプクルーサ配合錠12週間投与群の15.7%(43/274例)でNS5A耐性関連変異が認められました。エプクルーサ配合錠12週間投与により、NS5A 耐性関連変異が検出された患者の88.4%(38/43例)がSVR12を達成し、検出されなかった患者では97.4%(225/231例)がSVR12を達成しました。
ベースライン時にエプクルーサ配合錠12週間投与群の3.6%(10/274 例)でNS5B 耐性関連変異が認められました。これら10例全てでSVR12を達成しました。

◆ ベースライン時のNS5A耐性関連変異の有無別SVR12率(サブグループ解析)
ベースライン時のNS5A耐性関連変異の有無別SVR12率

対象:ベースライン時にシークエンシングデータが得られた274 例

サブタイプ NS5A耐性関連変異 例数 治療転帰
3
(43例)
A30K
L31M
Y93H
複数変異
15
1
25
2
14/15例SVR12達成
SVR12達成
21/25例SVR12達成
SVR12達成
◆ ベースライン時のNS5B耐性関連変異の有無別SVR12率(サブグループ解析)

対象:ベースライン時にシークエンシングデータが得られた274 例

サブタイプ NS5B耐性関連変異 例数 治療転帰
3a
(10例)
N142T
E237G
L320I
V321A/I
6
1
1
2
SVR12達成
SVR12達成
SVR12達成
SVR12達成

社内資料:承認時評価資料(海外第3相臨床試験:GS-US-342-1140)
Foster GR, et al. N Engl J Med. 373(27): 2608-2617, 2015
[利益相反:本研究はギリアド・サイエンシズ, Inc. の資金提供および支援により行われた。本論文の著者には、ギリアド・サイエンシズ, Inc.の社員が含まれる。本論文の著者には、ギリアド・サイエンシズ, Inc.より講演料等を受領した者が含まれる。]

SVR4率及びSVR24率(副次評価項目)

エプクルーサ配合錠12 週間投与によるSVR4 率(投与終了4 週間後のウイルス持続陰性化率)は96.8%(268/277 例)でした。またエプクルーサ配合錠12 週間投与によるSVR24 率(投与終了24 週間後のウイルス持続陰性化率)は95.3%(264/277 例)でした(副次評価項目)。

◆ SVR4率*
◆ SVR24率**

 * 投与終了4週間後のウイルス持続陰性化率。
** 投与終了24週間後のウイルス持続陰性化率。

社内資料:承認時評価資料(海外第3相臨床試験:GS-US-342-1140)
Foster GR, et al. N Engl J Med. 373(27): 2608-2617, 2015
[利益相反:本研究はギリアド・サイエンシズ, Inc. の資金提供および支援により行われた。本論文の著者には、ギリアド・サイエンシズ, Inc.の社員が含まれる。本論文の著者には、ギリアド・サイエンシズ, Inc.より講演料等を受領した者が含まれる。]

治療完遂率*(参考情報)

エプクルーサ配合錠投与例277 例中275例(99.3%)が12 週間の投与による治療を完遂しました。治療中止は服薬コンプライアンス不良(注意力障害、頭痛及び不安)が1例、効果不十分(その後、 SVR12を達成)が1例でした。

治療完遂率

* 途中、中止することなく12週間、継続して服用した患者の割合。

社内資料:承認時評価資料(海外第3相臨床試験:GS-US-342-1140)
Foster GR, et al. N Engl J Med. 373(27): 2608-2617, 2015
[利益相反:本研究はギリアド・サイエンシズ, Inc. の資金提供および支援により行われた。本論文の著者には、ギリアド・サイエンシズ, Inc.の社員が含まれる。本論文の著者には、ギリアド・サイエンシズ, Inc.より講演料等を受領した者が含まれる。]

ウイルス学的転帰(副次評価項目)

エプクルーサ配合錠12週間投与群では、13/277 例(4.7%)がSVR12 又はSVR24を達成しませんでした。このうち投与期間中のウイルス学的治療不成功例は認められず、11 例は再燃、2 例は追跡不能でした。再燃の8/11 例は投与終了後4 週までに、3 例が投与終了後4 週から12 週の間で再燃に至りました。
投与終了後12週から24週の間に再燃に至った患者はいませんでした。

安全性(主要評価項目)

【有害事象発現状況】

エプクルーサ配合錠12週間投与群277 例中245例(88.4%)に有害事象が認められました。主な有害事象は頭痛90 例(32.5%)、疲労71 例(25.6%)、悪心46 例(16.6%)、不眠症31 例(11.2%)、咽頭炎34例(12.3%)等でした。死亡および有害事象による投与中止は認められませんでした。重篤な有害事象は6例(2.2% 急性心不全、急性胆嚢炎、食中毒、直腸出血、頭蓋内動脈瘤、卵巣嚢胞破裂 各1例)に認められました。
ソバルディ錠+RBV24 週間投与群275 例中260 例(94.5%)に有害事象が認められました。主な有害事象は疲労105 例(38.2%)、頭痛89 例(32.4%)、不眠症74 例(26.9%)、悪心58 例(21.1%)、易刺激性40 例(14.5%)、咳嗽35 例(12.7%)、咽頭炎33 例(12.0%)等でした。3 例(1.1%) の死亡( 自然死、複数の銃創、原因不明 各1 例)、9 例(3.3%) の有害事象による投与中止( 不眠症3 例、等) が認められました。
重篤な有害事象は15例(5.5% 滑膜包炎、蜂窩織炎、脳梗塞、慢性閉塞性肺疾患、死亡、うつ病、前腕骨折、銃創、意図的な過量摂取、椎間板ヘルニア、肺感染症、末梢動脈狭窄、プロピオニバクテリウム感染症、精神病性障害、斑状丘疹状皮疹、脳動脈瘤破裂 各1例)に認められました。

エプクルーサ配合錠
12週間投与群
(n=277)
ソバルディ錠+RBV
24週間投与群
(n=275)
有害事象による投与中止、例数(%) 0 9(3.3%)
重篤な有害事象、例数(%) 6(2.2%) 15(5.5%)
死亡、例数(%) 0 3(1.1%)
有害事象発現例数(%) 245(88.4%) 260(94.5%)
有害事象の種類、例数 (%)
主な有害事象
頭痛
90(32.5%) 89(32.4%)
疲労
71(25.6%) 105(38.2%)
不眠症
31(11.2%) 74(26.9%)
悪心
46(16.6%) 58(21.2%)
咽頭炎
34(12.3%) 33(12.0%)
易刺激性
23(8.3%) 40(14.5%)
咳嗽
14(5.1%) 35(12.7%)
背部痛
25(9.0%) 20(7.3%)
そう痒症
8(2.9%) 35(12.7%)
無力症
16(5.8%) 26(9.5%)
下痢
20(7.2%) 26(9.5%)
消化不良
9(3.2%) 30(10.9%)
めまい
15(5.4%) 21(7.6%)
便秘
13(4.7%) 21(7.6%)
関節痛
10(3.6%) 22(8.0%)
呼吸困難
8(2.9%) 22(8.0%)
関節痛
10(3.6%) 22(8.0%)
腹痛
10(3.6%) 19(6.9%)
関節痛
10(3.6%) 22(8.0%)
腹痛
10(3.6%) 19(6.9%)
筋痙攣
13(4.7%) 16(5.8%)
発疹
15(5.4%) 14(5.1%)
不安
7(2.5%) 21(7.6%)
嘔吐
8(2.9%) 20(7.3%)
乾燥肌
2(0.7%) 25(9.1%)
貧血
1(0.4%) 24(8.7%)
筋肉痛
10(3.6%) 15(5.5%)
睡眠障害
9(3.2%) 15(5.5%)
労作性呼吸困難
3(1.1%) 20(7.3%)
食欲不振
8(2.9%) 14(5.1%)
注意力散漫
7(2.5%) 14(5.1%)
発熱
4(1.4%) 14(5.1%)
臨床検査値異常
ヘモグロビン <10g>
0 10(3.6%)
リンパ球数 350~500/mm³<500 m³="">
2(0.7%)
1(0.4%)
3(1.1%)
1(0.4%)
血小板数 25,000~50,000/mm³
1(0.4%) 1(0.4%)
総ビリルビン値 2.5~3.0mg/dL>3.0mg/dL
0
0
2(0.7%)
1(0.4%)

有害事象名は ICH 国際医薬用語集(MedDRA) Version 18.0 でコード化した。

社内資料:承認時評価資料(海外第3相臨床試験:GS-US-342-1140)
Foster GR, et al. N Engl J Med. 373(27): 2608-2617, 2015
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