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イエスカルタ®点滴静注 Logo 主に三次治療以降を対象とした大細胞型B細胞リンパ腫患者における海外第I/II相試験

ZUMA-1試験〈コホート4:安全性マネジメントの検討〉1,2)(海外データ)

試験概要

目的 レベチラセタムの予防的投与*1に加えて、副腎皮質ステロイド*1及びトシリズマブ*2による早期介入が、イエスカルタによる治療を受けた患者でのサイトカイン放出症候群(cytokine release syndrome:CRS)及び神経系事象(neurologic events:NEs)の発現頻度並びに重症度に及ぼす影響を評価する。
試験デザイン 多施設共同、非盲検、第I/II相試験
対象 再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(primary mediastinal large B-cell lymphoma:PMBCL)、形質転換濾胞性リンパ腫(transformed follicular lymphoma:tFL)、高悪性度B細胞リンパ腫(high grade B-cell lymphoma:HGBCL)患者 46例(リンパ球除去化学療法実施例、イエスカルタ投与例、mITT解析対象、安全性解析対象:41例)
試験方法

スクリーニング後、登録及び白血球アフェレーシスを治験実施医療機関で実施し、イエスカルタ製造施設に白血球アフェレーシスにより採取した細胞を輸送した。製造施設で末梢血中の単核細胞由来の活性化T細胞にレトロウイルスベクターを用いて抗CD19キメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor:CAR)遺伝子を形質導入した。形質導入されたT細胞をさらに拡大培養して治験製品を製造し、凍結保存した。
イエスカルタ投与日の5日前から3日間、リンパ球除去化学療法(シクロホスファミド500mg/m2/日及びフルダラビン30mg/m2/日をいずれも3日間)を実施した。
イエスカルタは、抗CD19 CAR T細胞2×106個/kgを目安に単回静脈内投与した。体重が100kgを超える患者には、最大固定用量2×108個を投与した。
また、イエスカルタ投与日から、レベチラセタム1回750mgを1日2回経口投与又は静脈内投与した。レベチラセタムはグレード2以上のNEsが発現しなかった場合は、漸減を経て中止した。
なお、治験責任医師の裁量により、リンパ球除去化学療法前のブリッジング療法(デキサメタゾン単剤*3、高用量メチルプレドニゾロン*4+リツキシマブ、又はベンダムスチン+リツキシマブのいずれか)を実施可能とした。

(データカットオフ日:2019年11月6日)

評価項目 【主要評価項目】
  • CRS及びNEsの発現頻度及び重症度
【副次評価項目】
  •  安全性:有害事象発現頻度
  •  有効性: 治験責任医師が判定した客観的奏効率(objective response rate:ORR)、奏効期間(duration of response:DOR) 等
  • 体内動態(血中抗CD19 CAR T細胞濃度)
  • 血清中バイオマーカー(インターフェロン-γ、インターロイキン-2•6、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、フェリチン、C反応性タンパク、インターロイキン-8•15、単球走化性タンパク質-1等)濃度
解析計画 仮説検定は行わず、すべての評価項目の解析は記述的に行った。有害事象のグレード分類は、CRSはLeeらによる分類3)、CRS以外はCTCAE(common terminology criteria for adverse events)ver.4.03に従った。

安全性マネジメント及びブリッジング療法のために投与した薬剤に国内承認外のものを含むが、本資料は当局からの助言を受け当社で作成したサイトカイン放出症候群・神経系事象管理アルゴリズムの根拠資料のため掲載する。

  • *1:レベチラセタム、副腎皮質ステロイドは、国内においてCRS及びNEsに対する予防投与の適応を有していない。
  • *2:NEsではCRSを合併した場合にのみ投与。
  • *3:等価用量の副腎皮質ステロイド(国内未承認薬を含む)も可であった。
  • *4:本邦承認外の情報が一部含まれますので、使用に際しては電子添文等をご参照ください。
  • *5:グレード2以上のNEsが発現しなかった場合は、漸減を経て中止した。

1)Topp MS, et al.: Br J Haematol 195(3), 388-398, 2021
本試験はKite社の支援を受けている。著者の中にKite社から雇用を受けている者、アドバイザリーボード料を受けている者などが含まれる。
2)ギリアド・サイエンシズ社内資料:ZUMA-1試験Cohort4

CRS及びNEsマネジメントのためのトシリズマブ及び副腎皮質ステロイドの投与

コホート1・2及びコホート4におけるAEマネジメント

コホート4では、CRSに対して、グレード1の段階からトシリズマブ及び副腎皮質ステロイドの介入を行い、NEsでは、グレード1の段階から副腎皮質ステロイドの介入を行いました。

コホート1・2では、再発又は難治性のDLBCL、PMBCL、tFL患者111例を対象にイエスカルタの有効性及び安全性を検討し、イエスカルタの承認時評価資料となった。

  • *1:併存疾患を有する又は高齢患者。
  • *2:トシリズマブで改善しない場合のみ標準用量を投与。
  • *3:3日後に改善しない場合。

コホート4におけるトシリズマブ*4及び副腎皮質ステロイド*4の投与方法

コホート4 AEマネジメント
CRSグレード トシリズマブ用量*5 副腎皮質ステロイド用量*5
1 3日後に改善しない場合、
8mg/kgを1時間かけて静脈内投与*6
必要に応じて4~6時間ごとに反復投与
3日後に改善しない場合、
デキサメタゾン10mg×1回
2 8mg/kgを1時間かけて静脈内投与*6
必要に応じて4~6時間ごとに反復投与
(24時間以内に最大3回投与可)
デキサメタゾン10mg×1回
3 グレード2と同様 メチルプレドニゾロン1mg/kg静脈内投与1日2回
又は等価用量のデキサメタゾン
4 グレード2と同様 メチルプレドニゾロン1000mg/日静脈内投与×3日
NEsグレード トシリズマブ用量 副腎皮質ステロイド用量
1 該当なし デキサメタゾン10mg×1回
2 8mg/kgを1時間かけて静脈内投与、
必要に応じて4~6時間ごとに反復投与
デキサメタゾン10mg1日4回
3 グレード2と同様 メチルプレドニゾロン1g 1日1回
4 グレード2と同様 メチルプレドニゾロン1g 1日2回
  • *4:本邦承認外の情報が一部含まれますので、使用に際しては電子添文等をご参照ください。
  • *5:治験責任医師の裁量で症状の改善に応じて漸減する。
  • *6:800mgを超えないこと。

AE(adverse event):有害事象

Max S. Topp et al., British Journal of Haematology, 2021, 195, 388‒398
©2021 The Authors. British Journal of Haematology published by British Society for Haematology and John Wiley & Sons Ltd.

イエスカルタの使用にあたっては、コホート4に基づき設定された管理アルゴリズムをご参照ください。

患者背景

コホート4
(N=41)
疾患の内訳、例(%)
DLBCL 26(63)
PMBCL 2(5)
tFL 10(24)
HGBCL 3(7)
年齢
中央値(範囲)、歳 61.0(19‒77)
65歳以上、例(%) 13(32)
男性、例(%) 28(68)
ECOG performance status score:1、例(%) 20(49)
病期、例(%)
I又はII 11(27)
III又はIV 29(71)
IPI score、例(%)
0-2 21(51)
3-4 20(49)
CD19陽性、例/N(%)*1
陽性 22/24(92)
陰性 2/24(8)
前治療の化学療法のライン数、例(%)
1 0
2 15(37)
3 15(37)
4 8(20)
≧5 3(7)
前治療のSCT、例(%) 14(34)
最後の化学療法レジメンに対してPD、例(%)*2 15(37)
腫瘍量(SPD)、中央値(範囲)*3、mm2 2100(204-24758)
LDH、中央値(範囲)、U/L 263(145-4735)
フェリチン、中央値(範囲)、ng/mL 393(23-3457)
抵抗性、例(%)
一次治療に抵抗性 0(0)
二次治療以上の治療に抵抗性 28(68)
二次治療以上の治療後の再発 5(12)
ASCT後の再発 8(20)
  • *1:コホート4では、中央検査機関による保存及び試験中の治療前腫瘍生検の確認率は59%(24/41例)であった。別の2例は中央判定に送付された生検検体に腫瘍組織がないため、確定診断されなかった。
  • *2:ASCT後に再発しなかった患者。
  • *3:コホート4では、リンパ球除去化学療法前の最後の観察時とした。ブリッジング療法を受けた患者では、ブリッジング療法の前又は後のどちらの測定も可であった。

IPI(International Prognostic Index):国際予後指標、SCT(stem cell transplant):造血幹細胞移植、PD(progressive disease):進行、 SPD(sum of the products of diameters)、ASCT(autologous stem cell transplant):自家造血幹細胞移植

Max S. Topp et al., British Journal of Haematology, 2021, 195, 388‒398より改変
©2021 The Authors. British Journal of Haematology published by British Society for Haematology and John Wiley & Sons Ltd.

【使用上の注意】(一部抜粋)
5. 高齢者への適用

高齢者では一般に生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

安全性

CRS及びNEsの発現頻度及び重症度【主要評価項目】

CRSの発現率は93%(38/41例)で、そのうちグレード3以上の発現率は2%(1/41例)でした。また、NEsの発現率は61%(25/41例)で、そのうちグレード3以上の発現率は17%(7/41例)でした。

有害事象 コホート4
(N=41)
CRS
全グレード、例(%) 38(93)
グレード1、例(%) 13(32)
グレード2、例(%) 24(59)
グレード3、例(%) 1(2)
グレード4、例(%) 0
グレード5、例(%) 0
発現するまでの期間、中央値(範囲)、日 2.0(1.0‒8.0)
持続期間、中央値(範囲)、日 6.5(2.0‒16.0)
NEs
全グレード、例(%) 25(61)
グレード1、例(%) 14(34)
グレード2、例(%) 4(10)
グレード3、例(%) 7(17)
グレード4、例(%) 0
グレード5、例(%) 0
発現するまでの期間、中央値(範囲)、日 6.0(1.0‒93.0)
持続期間、中央値(範囲)、日 8.0(1.0‒144.0)

参考:トシリズマブ及び副腎皮質ステロイド投与状況

トシリズマブ、副腎皮質ステロイドを投与された患者は、それぞれ76%、73%でした。
副腎皮質ステロイドを投与された患者の累積投与量(コルチゾン等価用量)の中央値は939mgで、43%が5回以上投与されました。

副腎皮質ステロイドの投与回数及び累積投与量

コホート4
(N=30)
副腎皮質ステロイドを投与された患者、例(%)*1
1回 7(23)
2回 7(23)
3回 3(10)
5回以上 13(43)
累積副腎皮質ステロイド投与量、mg*2
中央値(最小値‒最大値) 939(313‒33463)
平均値(標準偏差) 5152(7654)
  • *1:イエスカルタの投与日又は投与後で退院日前に副腎皮質ステロイドを投与された患者。
  • *2:投与から退院日までの累積全身性コルチゾン等価用量。

Max S. Topp et al., British Journal of Haematology, 2021, 195, 388‒398
©2021 The Authors. British Journal of Haematology published by British Society for Haematology and John Wiley & Sons Ltd.

有害事象【副次評価項目】

有害事象は、41例中全例(100%)に認められました。主な有害事象は、発熱39例(95%)、下痢及び低血圧各25例(61%)、貧血及び疲労各19例(46%)等でした。本試験において、B細胞性リンパ腫(病勢の進行)以外の有害事象による死亡は2例に認められ、その内訳はリンパ球除去化学療法による肺炎及び前治療の化学療法による急性骨髄性白血病各1例でした。重篤な有害事象は23例(56%)に認められ、主なものはB細胞性リンパ腫、肺炎、傾眠各3例(7%)等でした。本試験において、投与中止に至った有害事象は認められませんでした。

有害事象の一覧
(15%以上に発現した有害事象又は10%超に発現したグレード3以上のすべての事象を含む)

コホート4
(N=41)
全グレード グレード3 グレード4
すべての有害事象、例(%) 41(100) 12(29) 22(54)
発熱 39(95) 10(24) 0(0)
下痢 25(61) 4(10) 0(0)
低血圧 25(61) 4(10) 0(0)
貧血 19(46) 10(24) 0(0)
疲労 19(46) 3(7) 0(0)
頭痛 16(39) 1(2) 0(0)
好中球減少症 16(39) 4(10) 12(29)
悪心 12(29) 0(0) 0(0)
好中球数減少 12(29) 1(2) 11(27)
悪寒 11(27) 0(0) 0(0)
咳嗽 10(24) 0(0) 0(0)
血小板数減少 10(24) 2(5) 2(5)
傾眠 8(20) 3(7) 0(0)
浮動性めまい 7(17) 0(0) 0(0)
脳症 7(17) 2(5) 0(0)
白血球減少症 7(17) 1(2) 5(12)
頻脈 7(17) 1(2) 0(0)
血小板減少症 7(17) 4(10) 1(2)
背部痛 6(15) 0(0) 0(0)
便秘 6(15) 0(0) 0(0)
低カリウム血症 6(15) 1(2) 0(0)
低リン酸血症 6(15) 4(10) 0(0)
低酸素症 6(15) 3(7) 0(0)
振戦 6(15) 0(0) 0(0)
嘔吐 6(15) 1(2) 0(0)
白血球数減少 6(15) 1(2) 5(12)

MedDRA version 22.0

Max S. Topp et al., British Journal of Haematology, 2021, 195, 388‒398
©2021 The Authors. British Journal of Haematology published by British Society for Haematology and John Wiley & Sons Ltd.

体内動態・バイオマーカー

血中抗CD19 CAR T細胞濃度【副次評価項目】

血中抗CD19 CAR T細胞の最高血中濃度はイエスカルタ投与後14日以内に認められました。

血清中バイオマーカー濃度【副次評価項目】

BL(baseline):ベースライン、GM-CSF(granulocyte-macrophage colony‒stimulating factor):顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、CRP(C-reactive protein):C反応性タンパク、MCP-1(monocyte chemoattractant protein-1):単球走化性タンパク質-1

Max S. Topp et al., British Journal of Haematology, 2021, 195, 388‒398
©2021 The Authors. British Journal of Haematology published by British Society for Haematology and John Wiley & Sons Ltd.

  1. Topp MS, et al.: Br J Haematol 195(3), 388-398, 2021
    本試験はKite社の支援を受けている。著者の中にKite社から雇用を受けている者、アドバイザリーボード料を受けている者などが含まれる。
  2. ギリアド・サイエンシズ社内資料:ZUMA-1試験Cohort4​
  3. Lee DW, et al.: Blood 124(2), 188-195, 2014

参考

ZUMA-1試験〈コホート4〉に基づき設定された管理アルゴリズム

サイトカイン放出症候群

グレード*1 対処法 トシリズマブ*2 副腎皮質ステロイド*2
グレード1
  • 施設の標準治療による対症療法を行う。
  • 神経状態を注意深くモニタリングする。
  • 24時間後に改善しない場合、グレード2と同様に管理する。
  • 3日後に改善しない場合、デキサメタゾン10mgを1回静脈内投与する。
グレード2
  • 必要に応じて連続的に心電図及び酸素飽和度をモニタリングする。
  • 低血圧に対し、補液(等張液0.5~1.0L)を行い、補液に反応しない場合には、昇圧剤の投与を行う。
  • 必要に応じて酸素投与を行う。
  • 8mg/kg(最大800mg/body)を1時間かけて静脈内投与する。
  • 静脈内補液や酸素補充の増量に反応しない場合、必要に応じて8時間ごとに反復投与する。
  • 投与回数は、24時間で最大3回までとする。ただし、サイトカイン放出症候群の徴候及び症状に臨床的改善が認められない場合は、最大4回まで投与する。
  • 改善した場合、上記のグレード1と同様に管理する。
  • デキサメタゾン10mgを1日1回静脈内投与する。
  • 改善した場合、グレード1以下になるまで副腎皮質ステロイド投与を継続し、その後臨床的に適切に速やかに漸減する。
  • 改善しない場合、グレード3と同様に管理する。
グレード3
  • 管理治療室又はICUでの管理を行う。
  • グレード2と同様に管理する。
  • 改善した場合、上記の相当のグレードと同様に管理する。
  • デキサメタゾン10mgを1日3回静脈内投与する。
  • 改善した場合、上記の相当のグレードと同様に管理し、グレード1以下になるまで副腎皮質ステロイド投与を継続し、その後臨床的に適切に速やかに漸減する。
  • 改善しない場合、グレード4と同様に管理する。
グレード4
  • グレード3と同様に管理する。
  • 人工呼吸及び/又は腎代替療法を要する場合がある。
  • グレード2と同様に管理する。
  • 改善した場合、上記の相当のグレードと同様に管理する。
  • メチルプレドニゾロン1000mgを1日1回3日間静脈内投与する。
  • 改善した場合、上記の相当のグレードと同様に管理し、グレード1以下になるまで副腎皮質ステロイド投与を継続し、その後臨床的に適切に速やかに漸減する。
  • 改善しない場合、メチルプレドニゾロン1000mg1日2~3回静脈内投与、又は別の治療*3を検討する。
  • *1:Lee DW, et al.: Blood. 124(2), 188-195, 2014に基づく。
  • *2:本邦承認外の情報が一部含まれますので、使用に際しては電子添文等をご参照ください。
  • *3:免疫グロブリン静注療法、抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン等(これらに限定せず)の治療の開始を考慮してください。

神経系事象

グレード*1 対処法 トシリズマブ*2 副腎皮質ステロイド*2
グレード1
  • 施設の標準治療による対症療法を行う。
  • 神経状態を注意深くモニタリングする。
サイトカイン放出症候群合併なし
  • 投与しない。
サイトカイン放出症候群合併あり
  • 24時間後に改善しない場合、グレード2と同様に管理する。
  • デキサメタゾン10mgを1回静脈内投与する。
  • 2日後に改善しない場合、再度、デキサメタゾン10mgを1回静脈内投与する。
  • 鎮静作用のない抗痙攣薬(例:レベチラセタム)の投与*3を考慮
グレード2
  • 必要に応じて連続的に心電図及び酸素飽和度をモニタリングする。
  • 眼底検査及びグラスゴー・コーマ・スケールを含む一連の神経学的検査を行い、神経状態を注意深くモニタリングする。神経科による診察を考慮する。
  • 禁忌でなければ以下の検査を実施する。
    脳イメージング(例:磁気共鳴画像)、脳電図、及び腰椎穿刺(初圧も測定)
  • 痙攣発作がみられる場合は抗痙攣薬を投与する。
    サイトカイン放出症候群合併なし
  • 投与しない。
    サイトカイン放出症候群合併あり
  • 8mg/kg(最大800mg/body)を1時間かけて静脈内投与する。
  • 静脈内補液や酸素補充の増量に反応しない場合、必要に応じて8時間ごとに反復投与する。
  • 投与回数は、24時間で最大3回までとする。ただし、サイトカイン放出症候群の微候及び症状に臨床的改善が認められない場合は、最大4回まで投与する。
  • 改善した場合、上記のグレード1と同様に管理する。
  • デキサメタゾン10mgを1日4回静脈内投与する。
  • 改善した場合、グレード1以下になるまで副腎皮質ステロイド投与を継続し、その後臨床的に適切に速やかに漸減する。
  • 鎮静作用のない抗痙攣薬(例:レベチラセタム)の投与*3を考慮
  • 改善しない場合、グレード3と同様に管理する。
グレード3
  • 管理治療室又はICUでの管理を行う。
    サイトカイン放出症候群合併なし
  • 投与しない。
    サイトカイン放出症候群合併あり
  • グレード2と同様に管理する。
  • メチルプレドニゾロン1000mgを1日1回静脈内投与する。
  • 改善した場合、上記の相当のグレードと同様に管理し、グレード1以下になるまで副腎皮質ステロイド投与を継続し、その後臨床的に適切に速やかに漸減する。
  • 鎮静作用のない抗痙攣薬(例:レベチラセタム)の投与*3を考慮
  • 改善しない場合、グレード4と同様に管理する。
グレード4
  • グレード3と同様に管理する。
  • 人工呼吸を要する場合がある。
    サイトカイン放出症候群合併なし
  • 投与しない。
    サイトカイン放出症候群合併あり
  • グレード2と同様に管理する。
  • メチルプレドニゾロン1000mgを1日2回静脈内投与する。
  • 改善した場合、上記の相当のグレードと同様に管理し、グレード1以下になるまで副腎皮質ステロイド投与を継続し、その後臨床的に適切に速やかに漸減する。
  • 鎮静作用のない抗痙攣薬(例:レベチラセタム)の投与*3を考慮
  • 改善しない場合、メチルプレドニゾロン1000mg1日3回静脈内投与、又は別の治療*4を検討する。
  • *1:CTCAE ver. 5.0に基づく。
  • *2:本邦承認外の情報が一部含まれますので、使用に際しては電子添文等をご参照ください。
  • *3:ZUMA-1試験及びZUMA-7試験では痙攣予防として主にレベチラセタムが使用されました。
  • *4:免疫グロブリン静注療法、抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン等(これらに限定せず)の治療の開始を考慮してください。

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