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ツルバダ配合錠 Partners PrEP試験 試験概要

⼀⽅がHIV-1陽性、もう⼀⽅がHIV-1陰性の男⼥のカップルを対象としたPre-Exposure Prophylaxis to Prevent HIV-1 Acquisition within HIV-1 Discordant Couples(Partners PrEP)試験(海外データ)

Baeten JM, et al.: N Engl J Med 2012; 367(5):399-410.

試験概要

試験デザイン

試験デザイン
⽬的 ⼀⽅がHIV-1陽性、もう⼀⽅がHIV-1陰性の男⼥のカップルを対象に、HIV-1陰性パートナーのHIV-1感染の曝露前予防効果におけるエムトリシタビン+テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合剤(FTC/TDF:ツルバダ配合錠)⼜はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)のプラセボに対する優越性を確認する。
試験デザイン 第Ⅲ相・無作為化・⼆重盲検・多施設・プラセボ対照、並行群間比較試験
対象 ⼀⽅がHIV-1陽性、もう⼀⽅がHIV-1陰性の男⼥のカップル(4,747組)
主な選択基準 <両パートナー共通>
  • 以下の基準を満たす異性愛者カップル
    • 性的に活動的なパートナーであること(パートナーと過去3ヵ⽉間に6回以上腟性交を実施)

        
    • 試験期間中、パートナーとの関係を継続予定であること

        
  • <HIV-1陰性のパートナー>
    • 18歳以上65歳以下
    • スクリーニング時と登録時の両来院時において、HIV-1迅速検査によりHIV-1陰性が確認されていること
    • クレアチニンクリアランス(Cockcroft-Gault式を使用)が≧60 mL/min、かつ血清クレアチニン値が男性≦1.3 mg/dL、女性≦1.1 mg/dL
    • HBs抗原検査で陰性であることにより、HBV⾮感染であることが判明している者
    <HIV-1陽性のパートナー>
    • 18歳以上
    • 酵素免疫測定法(EIA)によりHIV-1陽性が確認されていること
    • CD4リンパ球数≧250 cells/mm3で、抗レトロウイルス療法開始に関する国のガイドラインを満たしていないこと
    • 臨床的なAIDS指標疾患の既往歴がないこと
主な除外基準 <HIV-1陰性のパートナー>
  • 現在、妊娠している⼜は試験期間中に妊娠を予定している者
  • 現在、授乳中の者
  • 他のHIV-1ワクチン⼜は予防試験に現在登録されている者
  • 尿試験紙検査で繰り返し糖尿⼜は蛋⽩尿陽性(>1+)を呈した者
  • 活動性結核感染症⼜は⾻髄炎及び⾮経⼝抗⽣物質療法を必要とする感染症を含む活動性及び重篤な感染症を有する者;活動性の臨床的に重大な医学的問題を有する者(心疾患、肺疾患、血糖降下薬を必要とする糖尿病を含む);更なる治療が必要な悪性腫瘍の既往歴を有する者
  • 外傷に関連しない病的⾻折の既往歴を有する者
  • 以下のいずれかの治療を継続している者
    • ヌクレオシドアナログ、⾮ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤⼜は治験中の抗レトロウイルス薬を含む抗レトロウイルス療法、インターフェロン(α、β⼜はγ)、インターロイキン(例:IL-2)療法、メトホルミン、アミノグリコシド系抗⽣物質、アムホテリシンB、cidofovir(本邦未承認)、化学療法剤の全⾝投与、腎毒性を有する薬剤、能動的尿細管分泌を阻害⼜は競合する可能性のある薬剤(例:プロベネシド)、及び/⼜は他の治験薬

        
  • <HIV-1陽性のパートナー>
  • 現在、抗レトロウイルス療法で治療中の者
  • 現在、他のHIV-1治療の治験に参加中の者
試験⽅法 HIV-1陰性のパートナーを、ツルバダ配合錠投与群、TDF投与群及びプラセボ群のいずれかに1:1:1の比率で割り付け、1⽇1回投与した。
被験者は最低24ヵ⽉から最⻑36ヵ⽉までの試験薬の投与を受けた。また、試験薬投与中⽌後1ヵ⽉間の追跡調査を⾏った。
主要評価項⽬ <有効性>
HIV-1陰性のパートナーにおけるHIV-1セロコンバージョンの発現 (検証的な解析項目)
<安全性>
有害事象
解析計画 <有効性>
Primary Modified Intention-to-Treat集団は、無作為化された男女のカップルのうち、組入れ時に一方がHIV陰性で無作為化後1回以上HIV検査を受けた4,708組(ツルバダ配合錠投与群1,568組、TDF投与群1,572組、プラセボ群1,568組)とし、主要な有効性の解析を行った。
各⽐較(ツルバダ配合錠投与群 vs プラセボ群⼜はTDF投与群 vs プラセボ群)について147例のHIV-1セロコンバージョンの発⽣により、⽚側α 0.025で80%の検出⼒が得られ、60%の相対的な減少を検出できると計算した。95%信頼区間の下限は、30%の相対的な減少(帰無仮説)を除外するものである。
HIV-1⾎清学的検査で初回陽性となるまでの期間の相対発⽣率は、試験施設に基づき層別化したCox⽐例ハザードモデルにより推定した。
<安全性>
Intention-to-Treat集団は、無作為化されたすべての適格被験者4,747組(ツルバダ配合錠投与群1,579組、TDF投与群1,584組、プラセボ群1,584組)とし、安全性の解析を行った。

参加者背景

追跡したカップルにおいて、パートナーの62%がHIV-1陰性の男性でした。
HIV-1陽性の被験者におけるCD4リンパ球数の中央値は495 cells/mm3(四分位範囲:375~662)で、80%の被験者はCD4リンパ球数350/mm3以上でした。⾎漿中HIV-1 RNA量の中央値は3.9 log10 copies/mL(四分位範囲:3.2~4.5)でした。

TDF投与群
(N=1,584組)
ツルバダ配合錠投与群
(N=1,579組)
プラセボ群
(N=1,584組)
HIV-1陰性
パートナー
HIV-1陽性
パートナー
HIV-1陰性
パートナー
HIV-1陽性
パートナー
HIV-1陰性
パートナー
HIV-1陽性
パートナー
男性、n(%) 986(62) 598(38) 1,013(64) 566(36) 963(61) 621(39)
年齢、n(%)
  1. 18〜24歳
184(12) 268(17) 177(11) 287(18) 172(11) 273(17)
  1. 25〜34歳
721(46) 657(41) 690(44) 636(40) 688(43) 629(40)
  1. 35〜44歳
480(30) 474(30) 498(32) 460(29) 513(32) 509(32)
  1. ≧45歳
199(13) 185(12) 214(14) 196(12) 211(13) 173(11)
教育期間、年
  1. 中央値
7 7 7 7 7 7
  1. 範囲
4~10 4~9 4~10 4~9 4~10 4~9
毎⽉収⼊がある者、n(%) 1,275(80) 1,069(67) 1,236(78) 1,052(67) 1,259(79) 1,079(68)
前⽉にパートナー以外と性交を⾏った者、n(%) 150(9) 84(5) 134(8) 106(7) 122(8) 103(7)
CD4細胞数、cells/mm3
  1. 中央値
NA 491 NA 497 NA 499
  1. 範囲
NA 370~661 NA 380~664 NA 375~663
⾎漿中HIV-1 RNA量*1、log10 copies/mL
  1. 中央値
NA 3.9 NA 3.9 NA 3.9
  1. 範囲
NA 3.2~4.5 NA 3.1~4.5 NA 3.2~4.5
割礼を受けた男性、n(%) 533/986(54) 198/598(33) 540/1,013(53) 177/566(31) 509/963(53) 202/621(33)
避妊中の⼥性*2、n(%) 263/598(44) 290/986(29) 275/566(49) 324/1,013(32) 299/621(48) 321/963(33)
妊娠、n(%) 0/598 152/986(15) 0/566 135/1,013(13) 0/621 118/963(12)
淋菌、クラミジア・トラコマチス、腟トリコモナス への感染*3、4、n(%) 86/1,551(6) 117/1,520(8) 93/1,557(6) 122/1,525(8) 126/1,550(8) 137/1,534(9)
梅毒⾎清反応*3、5、n(%) 59/1,569(4) 73/1,576(5) 60/1,572(4) 52/1,573(3) 62/1,569(4) 73/1,571(5)
⾎清中の単純ヘルペスウイルス2型*3、6、n(%) 835/1,506(55) NA 814/1,507(54) NA 875/1,512(58) NA

NA:データ⽋測

  • *1

    ⾎漿中HIV-1 RNA量はReal-Time HIV-1 RNAアッセイ(Abbott)を⽤いたバッチテストによって定量化された。 Real-Time HIV-1 RNAアッセイの検出限界は80 copies/mLであった。

  • *2

    避妊には、ホルモン性経⼝避妊薬、注射避妊薬、埋め込み型避妊薬、⼦宮内避妊器具、⼦宮摘出または両側卵管結紮術が含まれる。避妊中のHIV-1陰性の⼥性83%とHIV-1陽性の⼥性85%がホルモン性経⼝避妊薬を使⽤していた。

  • *3

    性感染症に関するデータは、95%以上の被験者で⼊⼿可能であった。

  • *4

    被験者は性感染症に対する治療を受けた。腟トリコモナス感染症が最も多くみられ、報告された性感染症の75%を占めた。淋菌とクラミジア・トラコマチス(APTIMA Combo 2[Gen-Probe]またはCOBAS Amplicor [Roche Diagnostics])は腟トリコモナス(APTIMA Trichomonas vaginalis[Gen-Probe]またはInPouch TV[BioMed Diagnostics]と異なる⽅法で検査を実施した。

  • *5

    梅毒の⾎清学的検査はrapid plasma reagin法により⾏われ、treponema特異的アッセイにより感染を確認した。⾎清反応陽性は現在または過去の感染を⽰す。

  • *6

    単純ヘルペスウイルス2型は、試験登録時にHerpeSelect 2 enzyme immunoassay(Focus Technologies)を⽤いて実施した。指数が3.5以上の場合を陽性とした。

Copyright ©2012 Massachusetts Medical Society.
All rights reserved. Translated with permission.

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