試験概要
試験デザイン
⽬的 | ⼀⽅がHIV-1陽性、もう⼀⽅がHIV-1陰性の男⼥のカップルを対象に、HIV-1陰性パートナーのHIV-1感染の曝露前予防効果におけるエムトリシタビン+テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合剤(FTC/TDF:ツルバダ配合錠)⼜はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)のプラセボに対する優越性を確認する。 |
---|---|
試験デザイン | 第Ⅲ相・無作為化・⼆重盲検・多施設・プラセボ対照、並行群間比較試験 |
対象 | ⼀⽅がHIV-1陽性、もう⼀⽅がHIV-1陰性の男⼥のカップル(4,747組) |
主な選択基準 | <両パートナー共通>
|
主な除外基準 | <HIV-1陰性のパートナー>
|
試験⽅法 | HIV-1陰性のパートナーを、ツルバダ配合錠投与群、TDF投与群及びプラセボ群のいずれかに1:1:1の比率で割り付け、1⽇1回投与した。 被験者は最低24ヵ⽉から最⻑36ヵ⽉までの試験薬の投与を受けた。また、試験薬投与中⽌後1ヵ⽉間の追跡調査を⾏った。 |
主要評価項⽬ | <有効性> HIV-1陰性のパートナーにおけるHIV-1セロコンバージョンの発現 (検証的な解析項目) <安全性> 有害事象 |
解析計画 | <有効性> Primary Modified Intention-to-Treat集団は、無作為化された男女のカップルのうち、組入れ時に一方がHIV陰性で無作為化後1回以上HIV検査を受けた4,708組(ツルバダ配合錠投与群1,568組、TDF投与群1,572組、プラセボ群1,568組)とし、主要な有効性の解析を行った。 各⽐較(ツルバダ配合錠投与群 vs プラセボ群⼜はTDF投与群 vs プラセボ群)について147例のHIV-1セロコンバージョンの発⽣により、⽚側α 0.025で80%の検出⼒が得られ、60%の相対的な減少を検出できると計算した。95%信頼区間の下限は、30%の相対的な減少(帰無仮説)を除外するものである。 HIV-1⾎清学的検査で初回陽性となるまでの期間の相対発⽣率は、試験施設に基づき層別化したCox⽐例ハザードモデルにより推定した。 <安全性> Intention-to-Treat集団は、無作為化されたすべての適格被験者4,747組(ツルバダ配合錠投与群1,579組、TDF投与群1,584組、プラセボ群1,584組)とし、安全性の解析を行った。 |
参加者背景
追跡したカップルにおいて、パートナーの62%がHIV-1陰性の男性でした。
HIV-1陽性の被験者におけるCD4リンパ球数の中央値は495 cells/mm3(四分位範囲:375~662)で、80%の被験者はCD4リンパ球数350/mm3以上でした。⾎漿中HIV-1 RNA量の中央値は3.9 log10 copies/mL(四分位範囲:3.2~4.5)でした。
TDF投与群 (N=1,584組) |
ツルバダ配合錠投与群 (N=1,579組) |
プラセボ群 (N=1,584組) |
||||
HIV-1陰性 パートナー |
HIV-1陽性 パートナー |
HIV-1陰性 パートナー |
HIV-1陽性 パートナー |
HIV-1陰性 パートナー |
HIV-1陽性 パートナー |
|
男性、n(%) | 986(62) | 598(38) | 1,013(64) | 566(36) | 963(61) | 621(39) |
年齢、n(%) | ||||||
|
184(12) | 268(17) | 177(11) | 287(18) | 172(11) | 273(17) |
|
721(46) | 657(41) | 690(44) | 636(40) | 688(43) | 629(40) |
|
480(30) | 474(30) | 498(32) | 460(29) | 513(32) | 509(32) |
|
199(13) | 185(12) | 214(14) | 196(12) | 211(13) | 173(11) |
教育期間、年 | ||||||
|
7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 |
|
4~10 | 4~9 | 4~10 | 4~9 | 4~10 | 4~9 |
毎⽉収⼊がある者、n(%) | 1,275(80) | 1,069(67) | 1,236(78) | 1,052(67) | 1,259(79) | 1,079(68) |
前⽉にパートナー以外と性交を⾏った者、n(%) | 150(9) | 84(5) | 134(8) | 106(7) | 122(8) | 103(7) |
CD4細胞数、cells/mm3 | ||||||
|
NA | 491 | NA | 497 | NA | 499 |
|
NA | 370~661 | NA | 380~664 | NA | 375~663 |
⾎漿中HIV-1 RNA量*1、log10 copies/mL | ||||||
|
NA | 3.9 | NA | 3.9 | NA | 3.9 |
|
NA | 3.2~4.5 | NA | 3.1~4.5 | NA | 3.2~4.5 |
割礼を受けた男性、n(%) | 533/986(54) | 198/598(33) | 540/1,013(53) | 177/566(31) | 509/963(53) | 202/621(33) |
避妊中の⼥性*2、n(%) | 263/598(44) | 290/986(29) | 275/566(49) | 324/1,013(32) | 299/621(48) | 321/963(33) |
妊娠、n(%) | 0/598 | 152/986(15) | 0/566 | 135/1,013(13) | 0/621 | 118/963(12) |
淋菌、クラミジア・トラコマチス、腟トリコモナス への感染*3、4、n(%) | 86/1,551(6) | 117/1,520(8) | 93/1,557(6) | 122/1,525(8) | 126/1,550(8) | 137/1,534(9) |
梅毒⾎清反応*3、5、n(%) | 59/1,569(4) | 73/1,576(5) | 60/1,572(4) | 52/1,573(3) | 62/1,569(4) | 73/1,571(5) |
⾎清中の単純ヘルペスウイルス2型*3、6、n(%) | 835/1,506(55) | NA | 814/1,507(54) | NA | 875/1,512(58) | NA |
NA:データ⽋測
- *1
⾎漿中HIV-1 RNA量はReal-Time HIV-1 RNAアッセイ(Abbott)を⽤いたバッチテストによって定量化された。 Real-Time HIV-1 RNAアッセイの検出限界は80 copies/mLであった。
- *2
避妊には、ホルモン性経⼝避妊薬、注射避妊薬、埋め込み型避妊薬、⼦宮内避妊器具、⼦宮摘出または両側卵管結紮術が含まれる。避妊中のHIV-1陰性の⼥性83%とHIV-1陽性の⼥性85%がホルモン性経⼝避妊薬を使⽤していた。
- *3
性感染症に関するデータは、95%以上の被験者で⼊⼿可能であった。
- *4
被験者は性感染症に対する治療を受けた。腟トリコモナス感染症が最も多くみられ、報告された性感染症の75%を占めた。淋菌とクラミジア・トラコマチス(APTIMA Combo 2[Gen-Probe]またはCOBAS Amplicor [Roche Diagnostics])は腟トリコモナス(APTIMA Trichomonas vaginalis[Gen-Probe]またはInPouch TV[BioMed Diagnostics]と異なる⽅法で検査を実施した。
- *5
梅毒の⾎清学的検査はrapid plasma reagin法により⾏われ、treponema特異的アッセイにより感染を確認した。⾎清反応陽性は現在または過去の感染を⽰す。
- *6
単純ヘルペスウイルス2型は、試験登録時にHerpeSelect 2 enzyme immunoassay(Focus Technologies)を⽤いて実施した。指数が3.5以上の場合を陽性とした。
Copyright ©2012 Massachusetts Medical Society.
All rights reserved. Translated with permission.