ZUMA-1試験〈5年フォローアップ解析〉1)(海外データ)
ZUMA-1試験の第II相試験においてイエスカルタによる治療を受けた患者を対象として、5年フォローアップ解析*を行いました。
- *:追跡期間中央値63.1ヵ月(データカットオフ日:2021年8月11日)。
有効性(第II相試験)
治験責任医師又は治験分担医師の判定に基づくORR[主要評価項目]
5年フォローアップ時のORRは、24ヵ月時の結果と一致していました*。24ヵ月時のORRの結果はこちらをご参照ください。
カットオフ時点においてORRが継続していた患者は31例(31%)で、CRが継続していた患者は30例(30%)、PRが継続していた患者は1例(1%)でした。
最良効果が持続していた患者数、例(%) | ||
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ORR (CR+PR) | CR | PR |
31 (31) | 30 (30) | 1 (1) |
- *:ORRは試験期間中の最良効果がカウントされる。
DOR[副次評価項目]
5年フォローアップ時のDORの中央値[95%CI]は11.1[4.2, 51.3]ヵ月でした。
CRに達した患者における5年フォローアップ時のDOR中央値[95%CI]は、62.2[12.9, 推定不能]ヵ月でした。
DOR中央値[95%CI](ヵ月) | ||
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24ヵ月時 | 5年フォローアップ時 | |
全体(N=84) | 11.1[4.2, NE] | 11.1[4.2, 51.3] |
CR(N=59) | NE | 62.2[12.9, NE] |
NE(not estimable):推定不能
PFS[副次評価項目]
5年フォローアップ時の全体におけるPFS中央値[95%CI]は5.9[3.3, 15.0]ヵ月であり、PFSのKaplan-Meier推定値は31.8%でした。
OS[副次評価項目]
5年フォローアップ時の全体におけるOS中央値[95%CI]は25.8[12.8, 推定不能]ヵ月であり、OSのKaplan-Meier推定値は42.6%でした。また、CRを達成した患者におけるOS中央値は未到達であり、OSのKaplan-Meier推定値は64.4%でした。
NE(not estimable):推定不能
安全性(第II相試験)
5年フォローアップ時の主な有害事象は、全グレードではサイトカイン放出症候群94例(93%)、神経系事象65例(64%)、グレード3以上ではサイトカイン放出症候群11例(11%)、神経系事象30例(30%)が認められました。
二次性悪性腫瘍は5例に認められましたが、いずれの症例もイエスカルタに関連があると判定されませんでした。内訳は、治療関連骨髄異形成症候群(treatment related myelodysplastic syndrome:t-MDS)3例(3%)、メラノーマ以外の皮膚癌2例(2%)で、t-MDSについては前治療との関連があると判定されました。
全期間を通して、死亡は59例(58%)に認められ、死亡理由は病勢進行45例(45%)、有害事象4例(4%)、二次性悪性腫瘍1例(1%)、その他9例(9%)でした。
2年間の解析以降、新たに発現した重篤な副作用又はイエスカルタと因果関係がある死亡は認められませんでした。
サイトカイン放出症候群及び神経系事象の発現状況
例数(%) | 全グレード | グレード3以上 |
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サイトカイン放出症候群 | 94(93) | 11(11) |
神経系事象 | 65(64) | 30(30) |
- Neelapu SS, et al.: Blood 141(19), 2307-2315, 2023
本試験はKite社の支援を受けている。著者の中にKite社から雇用を受けている者、Kite社またはGilead社からアドバイザリーボード料を受けている者などが含まれる。