1844試験 PRO(参考情報)
PRO(Patient Reported Outcomes:患者報告アウトカム)とは
PROとは1
- 近年では被験者自身により直接新薬の有効性・安全性さらには有用性を評価するという考え方で、 PROが重要視されている
- PROはQOL(Quality of Life:生活の質)や自覚症状(痛み、口渇、倦怠感、頭痛、うつ状態、不安感、睡眠障害等)、機能状態〔身体機能(歩行等)、社会機能、認知機能、生活の制限等〕、全般的な健康状態や幸福度、治療に対する満足度、治療遵守などを測定することができる
- 被験者の症状や QOLに関して、自分自身で判定し、その結果に医者をはじめ他のものが一切介在しないという評価方法2
HIV治療におけるPRO
- 医師による評価のみでは見過ごされがちな、HIV感染およびその治療に関連する様々な症状を明らかにできる3
- 多くのARTレジメンでウイルス学的有効性に差がみられないことから、各種レジメンの特色を評価する指標として期待されている4-6
- 日本製薬工業協会.データサイエンス部会 タスクフォース7: 治験におけるPatient Reported Outcomes ~臨床開発担当者のためのPRO利用の手引き~ Ver.1 2016年6月.
- FDA Guidance for industry: patient-reported outcome measures: use in medical product development to support labeling claims. 2009.
- Edelman EJ, et al.: AIDS Behav 2011; 15: 853.
- Simpson KN, et al.: Health Qual Life Outcomes 2013; 11: 164.
- Kozak MS, et al.: Clin Infect Dis 2012; 2012(54): 141.
- Engler K, et al.: Patient 2017; 10: 187.
HIV-SI(HIV症状インデックス)において、両治療群(ビクタルビ群とABC/DTG/3TC群)で「困っている」と報告した患者割合が有意に少なかった項目および評価時点(副次評価項目)(海外データ)
「めまい/ふらつき」「悪心/嘔吐」「悲しみ/暗い気分/うつ」「神経質/不安」「睡眠困難」「食欲不振」に関して、ビクタルビ配合錠群とABC/DTG/3TC群との間で有意差がみられました(縦断的多変量モデル)。
※:有意水準 p<0.05、各時点の推定は調整済みlogistic回帰モデルによる。
Wohl D, et al.: Patient 2018; 11(5): 561. より改変
本試験はギリアド・サイエンシズ社より支援を受けています。著者にギリアド・サイエンシズ社より支援を受けている者が含まれます。
治療とHIV-SI上のHIV感染症にかかわる症状との関連(詳細)(副次評価項目)(海外データ)
OR<1がビクタルビ配合錠群で、各症状に困っていると報告した患者が少ないことをあらわしている(有意水準 p<0.05)。
調整済みlogistic回帰モデルは、ベースラインのHIV-SIカウント、年齢、性別、ベースラインのVACS Index、重篤な精神疾患、ベースラインのSF-36 PCS、ベースラインのSF-36
MCS、HIV感染症との診断からの年数によって調整され、治療を独立変数、困っているHIV-SI項目を従属変数として含む。下記の共変数が統計的に有意(p<0.05)であった:aベースラインのHIV-SIカウント、b年齢、c性別、dベースラインのVACS Index、e重篤な精神疾患、fベースラインのSF-36 PCS、gベースラインのSF-36 MCS、h診断からの年数
Wohl D, et al.: Patient 2018; 11(5): 561. より改変
本試験はギリアド・サイエンシズ社より支援を受けています。著者にギリアド・サイエンシズ社より支援を受けている者が含まれます。
PSQI(ピッツバーグ睡眠質問票)で“睡眠の質が悪い”と報告した患者割合(副次評価項目)(海外データ)
ビクタルビ配合錠の48週の投与により、“睡眠の質が悪い”と報告した患者割合は51.9%から41.8%になりました。
PSQI(睡眠の質や睡眠障害を19項目で評価する自己記入式の質問票)において、スコア6以上を“睡眠の質が悪い”とした(Buysse DJ, et al.: Psychiatry Res 1989;
28: 193.)。
Wohl D, et al.: Patient 2018; 11(5): 561. をもとに作成
本試験はギリアド・サイエンシズ社より支援を受けています。著者にギリアド・サイエンシズ社より支援を受けている者が含まれます。
ビクタルビ配合錠の臨床試験で使用されたPRO尺度
HIV-SI: HIV-Symptom Index、PSQI: Pittsburgh Sleep Quality Index
- Justice A, et al.: J Clin Epidemiol 2001; 2001(54): S77‒90.
- Buysse DJ, et al.: Psychiatry Res 1989; 28: 193‒213.