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ベクルリー点滴静注用 脆弱な患者*を含んだCOVID-19入院患者に対するベクルリーの効果:​ 米国の病院データベースを基にした死亡率のレトロスペクティブ研究(海外データ)

「禁忌を含む注意事項等情報」等はDIをご参照ください。

脆弱な患者*を含んだCOVID-19入院患者に対するベクルリーの効果:米国の病院データベースを基にした死亡率のレトロスペクティブ研究(海外データ)1

*本論文では、高齢、COVID-19による肺炎を生じている患者などを「脆弱な患者」(vulnerable patients)と表現しています。​
1. Mozaffari E, et al.: Clin Infect Dis. 2024 Dec 13;79(Supplement_4):S137-S148. ​
本試験はギリアド・サイエンシズ社より支援を受けています。本論文の著者の一部はギリアド・サイエンシズ社の社員です。​
2. CDC: Classification of Diseases, Functioning, and Disability. https://www.cdc.gov/nchs/icd/icd-10-cm/index.html(2025年3月5日閲覧)​ ​

9. 特定の背景を有する患者に関する注意(抜粋)
9.2 腎機能障害患者
添加剤スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンナトリウムの尿細管への蓄積により、腎機能障害が悪化するおそれがある。非臨床試験でレムデシビルに腎尿細管への影響が認められている。[8.3、15.2、16.6.2 参照]

研究概要

目的 COVID-19で入院した脆弱な集団を含む18歳以上の患者を対象にベクルリーによる包括的で最新のエビデンスを提供する。​
対象 2021年12月から2024年2月(オミクロン株流行期)にCOVID-19で入院した成人169,965人を対象にした。​
方法 米国の病院請求データベースであるPINC AI Healthcareを用いたレトロスペクティブ研究。調査期間は2021年12月~2024年2月(米国でこの期間に流行したSARS-CoV-2亜種に基づくオミクロン優勢期)とし、オミクロン前期(2021年12月~2022年12月)とオミクロン後期(2023年1月~2024年2月)ならびに年齢層(65~75歳、75~84歳、≧85歳)別で層別化した。​
主要評価項目 入院2日以内のベクルリー投与から14日目および28日目の全死因による院内死亡率​
解析計画 すべてのベースライン変数は入院後2日以内に抽出された。傾向スコア(propensity score:PS)マッチングを用いて、2つの治療群(ベクルリー投与群対ベクルリー非投与群)における基礎交絡因子の分布を均衡させた。Cox比例ハザードモデルを用いて、14日目および28日目の院内全死因死亡までの時間を2つの時点で別々に評価し、調整ハザード比(aHR)および95%信頼区間(CI)を導出した。モデルは、頑強なサンドイッチ分散推定量を用いて病院レベルのクラスター効果を補正し、年齢(連続変数)、入院月、入院時の病棟(病床使用料の記録に基づいて、ICU/高度治療室、一般病棟を区別した)の主要な共変量を補正した。入院後2日以降の副腎皮質ステロイド、バリシチニブ、トシリズマブによる治療は、時間依存性共変量として調整した。​
本試験の限界​ 測定された、あるいは未測定の要因による交絡がPSマッチング後も残存し、それが結果に未知の影響を与えた可能性がある。また、請求データやICD-10コードを用いた基礎疾患や治療及び診療行為の定義には誤分類や過小評価のおそれがあるため、重要な交絡因子についても誤分類が生じている可能性がある。さらに、ベクルリー非投与群には、電子添文改訂・適応拡大前にベクルリーが禁忌であったために投与されなかった患者も含まれている可能性がある。最後に、このデータベースは検査結果や画像所見を含んでおらず、酸素利用の記録など、疾患の重症度の代理指標の使用が必要となる。​

サマリー:脆弱な患者を含んだCOVID-19入院患者に対するベクルリーの効果:米国の病院データベースを基にした死亡率のレトロスペクティブ研究(海外データ)​

2021年12月から2024年2月(オミクロン株流行期)にCOVID-19で入院した成人169,965人を対象に、ベクルリーの有効性を検討したレトロスペクティブ研究において以下の結果が得られました。​

  • 対象となったコホートは、65歳以上はベクルリー投与群が69.9%、ベクルリー非投与群が72.2%でした。基礎疾患を有していた割合は、ベクルリー投与群で心血管疾患86.7%、腎疾患25.3%、免疫不全状態17.8%、ベクルリー非投与群では心血管疾患88.5%、腎疾患33.6%、免疫不全状態16.1%でした(PSマッチング前)。​
  • 成人患者において、ベクルリー投与群は非投与群と比較して14日目と28日目の院内死亡率が有意に低下しました(14日目 aHR:0.77、95%CI:0.73-0.81、28日目 aHR:0.79、95%CI:0.75-0.83、いずれもp<0.0001、名目上のp値、Cox比例ハザードモデル)。​
  • 高齢者(65歳以上)において、ベクルリー投与群は非投与群と比較して14日目と28日目の院内死亡率が有意に低下しました(14日目 aHR:0.75、95%CI:0.71-0.79、28日目 aHR:0.77、95%CI:0.74-0.81、いずれもp<0.0001、名目上のp値、Cox比例ハザードモデル)。​
  • 肺炎患者において、ベクルリー投与群は非投与群と比較して14日目と28日目の院内死亡率が有意に低下しました(14日目 aHR:0.78、95%CI:0.74-0.82、28日目 aHR:0.80、95%CI:0.76-0.85、いずれもp<0.0001、名目上のp値、Cox比例ハザードモデル)。​

本論文では安全性評価がされていないため、ベクルリーの安全性情報については電子添文をご参照ください。​

研究デザイン

  • COVID-19入院患者を米国の病院請求データベースであるPINC AI Healthcareを用いたレトロスペクティブ研究。​​
  • 組み入れならびに除外基準を適用した169,965人のデータのうち、入院から2日以内にベクルリーが投与された場合にベクルリー投与群、それ以外をベクルリー非投与群に分類した。​
  • PSマッチングにより両群の共変量の均一化を図った。​
  • 「成人(18歳以上)」「65歳以上」「COVID-19肺炎*」の3つのコホートについて分析した。​

PS:傾向スコア​

主な組み入れ基準​
18歳以上、退院時の主診断がCOVID-19​
主な除外基準
妊娠、データの不備、他の病院またはホスピスからの転院ならびに他の病院への転院、ベースライン期間中(入院開始2日間)の退院または死亡、ベースライン時にECMOを必要とした患者、入院開始2日目以降のベクルリーの投与​

*ICD-10-CM(International Classification of Diseases, 10th Revision, Clinical Modification)の診断コード「J12.82」に該当する。 J12.82は、COVID-19が確認された患者で、ウイルス性肺炎の症状がある場合に適用される2。​

患者背景

  • PSマッチング前で65歳以上はベクルリー投与群が69.9%、ベクルリー非投与群が72.2%でした。​
  • PSマッチング前で基礎疾患を有していた割合はベクルリー投与群で心血管疾患86.7%、腎疾患25.3%、免疫不全状態17.8%、ベクルリー非投与群では心血管疾患88.5%、腎疾患33.6%、免疫不全状態16.1%でした。​
  • 酸素供給を必要としていなかった患者はベクルリー投与群で43.6%、ベクルリー非投与群で55.2%、ベクルリー投与期間の中央値(四分位範囲)は5.0(3.0、5.0)日でした。​
  • PSマッチングにより、ベクルリー投与群56,170人とベクルリー非投与群56,170人の患者が1:1でマッチングされ、すべての共変量で標準化平均差が<0.15を示しました。​

COPD:慢性閉塞性肺疾患、PS:傾向スコア、SMD:標準化平均差​
*慢性腎臓病、腎不全、慢性腎炎症候群、透析、腎移植の既往歴などを含む。​

Mozaffari E, et al.: Clin Infect Dis. 2024 Dec 13;79(Supplement_4):S137-S148. https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/より改変​​
本試験はギリアド・サイエンシズ社より支援を受けています。本論文の著者の一部はギリアド・サイエンシズ社の社員です。​

COVID-19で入院した成人患者の14日目および28日目の死亡率(主要評価項目)​

  • 成人患者において、ベクルリー投与群は非投与群と比較して14日目と28日目の院内死亡率が有意に低下しました(14日目 aHR:0.77、95%CI:0.73-0.81、28日目 aHR:0.79、95%CI:0.75-0.83、いずれもp<0.0001、名目上のp値、Cox比例ハザードモデル)。​

年齢、入院月、入院時の病棟(ICU対一般病棟)、他のCOVID-19治療薬(バリシチニブ、トシリズマブ、経口抗ウイルス薬)による時間変化で調整した推定値を算出するためにCox比例ハザードモデルを用いた。​
aHR:調整ハザード比、CI:信頼区間​

Mozaffari E, et al.: Clin Infect Dis. 2024 Dec 13;79(Supplement_4):S137-S148. https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/より改変​​
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COVID-19で入院した高齢者(65歳以上)の14日目および28日目の死亡率(主要評価項目)​

  • 高齢者において、ベクルリー投与群は非投与群と比較して14日目と28日目の院内死亡率が有意に低下しました(14日目 aHR:0.75、95%CI:0.71-0.79、28日目 aHR:0.77、95%CI:0.74-0.81、いずれもp<0.0001、名目上のp値、Cox比例ハザードモデル)。​

年齢、入院月、入院時の病棟(ICU対一般病棟)、他のCOVID-19治療薬(バリシチニブ、トシリズマブ、経口抗ウイルス薬)による時間変化で調整した推定値を算出するためにCox比例ハザードモデルを用いた。​
aHR:調整ハザード比、CI:信頼区間​

Mozaffari E, et al.: Clin Infect Dis. 2024 Dec 13;79(Supplement_4):S137-S148. https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/より改変​​
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COVID-19で入院し肺炎患者の14日目および28日目の死亡率(主要評価項目)​

  • 肺炎患者(COVID-19による肺炎)において、ベクルリー投与群は非投与群と比較して14日目と28日目の院内死亡率が有意に低下しました(14日目 aHR:0.78、95%CI:0.74-0.82、28日目 aHR:0.80、95%CI:0.76-0.85、いずれもp<0.0001、名目上のp値、Cox比例ハザードモデル)。​

年齢、入院月、入院時の病棟(ICU対一般病棟)、他のCOVID-19治療薬(バリシチニブ、トシリズマブ、経口抗ウイルス薬)による時間変化で調整した推定値を算出するためにCox比例ハザードモデルを用いた。​
aHR:調整ハザード比、CI:信頼区間​

Mozaffari E, et al.: Clin Infect Dis. 2024 Dec 13;79(Supplement_4):S137-S148. https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/より改変​
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COVID-19で入院した高齢者の14日目および28日目の死亡率(主要評価項目のサブグループ解析)​

  • 高齢者の14日目と28日目の死亡率を、オミクロン株前期(2021年12月~2022年12月)とオミクロン株後期(2023年1月~2024年2月)でサブグループ解析しました。​
  • ベクルリー投与群はオミクロン株前期においても、非投与群と比較して14日目と28日目の院内死亡率が有意に低下しました(14日目 aHR:0.75、95%CI:0.71-0.80、28日目 aHR:0.79、95%CI:0.75-0.83、いずれもp<0.0001、名目上のp値、Cox比例ハザードモデル)​
  • ベクルリー投与群はオミクロン株後期(2023年1月~2024年2月)においても、非投与群と比較して14日目と28日目の院内死亡率が有意に低下しました(14日目 aHR:0.72、95%CI:0.64-0.81、28日目 aHR:0.72、95%CI:0.65-0.80、いずれもp<0.0001、名目上のp値、Cox比例ハザードモデル)​​
  • 高齢者の14日目と28日目の死亡率を、年齢層別でサブグループ解析しました。​
  • ベクルリー投与群は14日目の死亡率においても、非投与群と比較して65~74歳、75~84歳、85歳以上のそれぞれで有意に低下しました(65~74歳 aHR:0.80、95%CI:0.72-0.88、75~84歳 aHR:0.78、95%CI:0.72-0.84、85歳以上 aHR:0.72、95%CI:0.66-0.78、いずれもp<0.0001、名目上のp値、Cox比例ハザードモデル)。​
  • ベクルリー投与群は28日目の死亡率においても、非投与群と比較して65~74歳、75~84歳、85歳以上のそれぞれで有意に低下しました(65~74歳 aHR:0.81、95%CI:0.75-0.89、75~84歳 aHR:0.78、95%CI:0.72-0.84、85歳以上 aHR:0.74、95%CI:0.69-0.80、いずれもp<0.0001、名目上のp値、Cox比例ハザードモデル)。

年齢、入院月、入院時の病棟(ICU対一般病棟)、他のCOVID-19治療薬(バリシチニブ、トシリズマブ、経口抗ウイルス薬)による時間変化で調整した推定値を算出するためにCox比例ハザードモデルを用いた。​
aHR:調整ハザード比、CI:信頼区間​

Mozaffari E, et al.: Clin Infect Dis. 2024 Dec 13;79(Supplement_4):S137-S148. https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/より改変​
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